The Best of DE10 Gallery

山田線復旧への道

7年半振りにジョイント音が響き渡る

 

 長らく不通のままとなっていた山田線海沿い区間であるが、軌道関係の工事が完了し8月21日より新規に架け替えた橋梁の強度試験実施のため、DE10を使用した試運転列車が運転される事となった。管理人も休みの取れた9月11日に撮影する事にした。

 いや〜眠い・・・。退勤後にそのまま東京駅からはやぶさ号に飛び乗り、仙台駅でレンタカーを借りて東北道仙台宮城ICより流入。釜石道遠野ICで降りて国道283号線で仙人峠を降りて来る頃には日付が変わりました。仮眠後、国道45号を北上するが物凄い大渋滞に閉口する。復興関連の業者がここまで集結するとうっかり信号機の無い交差点で右折しようものならいつまで経っても曲がれない感じでした。すぐ山側では部分開通している三陸道と釜石道の工事が急ピッチで進んでいましたが、この交通量なら納得です。沿岸部には今までのよりもゴツい防潮堤が建設中で、山の上には小学校や仮設住宅が設置されていましたが、駅周辺はまだ原っぱとなっており本格的な復興はこれからという感じです。国道や県道も部分的に道が変わっていてカーナビが通用しない区間もありました。沿線の線路は津波で被災していない区間も真新しいバラストが散布されていて一部の駅間では場内・出発信号機も点灯していました。着実に復旧しているのを実感しました。

橋桁にセンサーを取付けている

 

橋梁は新規に作り直したようです

 

津波に耐えた橋桁は補修の上で再利用

 

 宮古駅へ向かうと既にDE10の姿が。本日の試験区間は宮古〜磯鶏なので、駅近くの閉伊川へ向かった。鉄橋に到着すると既に工事業者の方が測定機器を橋梁上に設置している所だった。しばらくして取付け作業が終わり、現場監督の無線により宮古駅と連絡を取って試験運転が始まった。本日は盛岡車両センターのDE101762。今までは釜石ベースでの試運転であったが、今回は宮古側からのDE10入線となるので線路再建後は初めての車両入線となります。作業員の人々が見守る中、時速5キロメートルの低速でDE10が橋梁を渡る。周囲にはマニヤ数人と新聞社の記者、地元のおじさんおばちゃんが集まり皆でDE10の通過を見送る。渡り終えると住民の皆様の顔は笑顔が。「ようやくだな・・・」おじさんがポツリと呟いたのが、この7年半の時間の流れの重みを感じました。

緊張の一瞬

 

係員がすばやく数値を記録する

 

閉伊川にDE10の5軸音が響く

 

 磯鶏側に渡り終えたDE10を見送り、現場ではしばし測定データを宮古駅の係員に送る作業が続く。係員が再度配置に就いて今度は時速15キロで鉄橋を渡る。2往復目は今回最高速度となる時速45キロで鉄橋を渡り、磯鶏側からDE10が戻って試験終了となった。データ次第では手直しが入るかもしれないが、現場で無線のやり取りを見ていた限りでは良さそうな感じでした。来年1月より試運転と三陸鉄道運転士による乗務員訓練が始まり、3月のダイヤ改正で三陸鉄道に移管の上で完全復活の予定です。

DE10通過後にデータの確認が始まる

 

折り返しは時速15キロで通過

 

すかさずデータを測定する

 

2往復目が渡り終えて試験終了

 

 

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