今シーズンのロイヤルエクスプレスも2回目の稚内遠征で終了し、最終週は夕陽ノロッコ・10月最初の週は川湯ノロッコ号をやろうと計画を立てていた。まず初日の9月26日はNH741便で釧路に降り立ち、細岡〜塘路で釧路川を入れて撮影を敢行するものの、思いっきりド逆光で(もう少しギラるかと思っていた)DE101690の色が影でブッ飛んでしまいちょっと微妙な感じ。復路は追っかけしても釧路市内でノロノロ運転にハマりそうな予感がしたので最初から東釧路〜釧路へ行ったのですが、みるみる暗くなる露出にニコンD850はもう露出限界。高感度番長ニコンD5を併用するものの、手持ちでリモートコントローラーとか欲張りな撮影方法をしたのでシャッター切り位置微妙に失敗してしまい、また明日トライかなーなんて思っていたのですが二日目の惨状にまだこの時は気付く事ができなかった・・・。
夕陽ノロッコ号の運転は夕方になってからなので午前中は根室本線でキハ54を撮影しようと思い、落石〜別当賀の撮影地へ行ってみる。数年以上振りの来訪となったため、以前よりも草木ボーボーで「この林道であっていたかな?」と一瞬不安になりましたが、とりあえず無事にポイントへ到達できました。ヒグマには出会いませんでしたが、鹿やキツネはうろちょろしていて飛び出して来るので目を皿のようにして時折プップーと警音器を三三七拍子みたいに鳴らして走行したら疲れてしまった。早朝夕方や夜間の国道44号や391号もそうなのですが、林道も野生動物出現に気を配らねばならず、林道のボコボコ具合を見ながらのハンドリングも結構神経を使いますね。 根室市の無料通学バスの運行の影響で通学需要が壊滅してしまった根室本線根室口なので始発時間が異様に遅く、管理人が撮影した5624Dが一番列車となっていた。しばらく待っているとライトが見え始めるが全然こちら側へ列車が来ない。雄大な景色をみせるため徐行運転しているようだ。ようやく徐行区間が終わり加速し始めたところでシャッターを切って無事にキハ54と雄大な落石岬を入れてゲット。最高だぜ!
その後は釧網本線へ転戦し、夢ケ丘での撮影に備えて達古武オートキャンプ場へやってきた。日用品を入れていたリュックの中身をカラにしてカメラバッグから使うボディとレンズを放り込んで三脚片手に遊歩道へ繰り出した。しばらく木道を歩いて中間地点の東屋へ到着し、ここから山道へ分け入る。そこから少し歩いていると何やら低い音がする。最初は遠くでプロペラ機でも飛んでるエンジン音かと思ったのだが、よく耳を澄ませると飛行機の音ではなく唸り声がする。こんな低い声でキツネや鹿は鳴かない。管理人は熊鈴を鳴らしつつ時折手を叩いたり大声で奇声を発したりしながら歩いていたので通常ならヒグマの方から音の発生源を避ける行動を取るのだが、管理人もついに熊鈴や人間を恐れないヒグマと遭遇したようだ。 唸り声は山の斜面の上の方から聞こえてきており熊笹でよく見えない。ヒグマは駆け降りる方が得意で速度もチャリンコよりも速いので山道を歩いていた自分は「あ、この位置やばくないか?」と思い立ちすくむ。機材はリュックなので機動力は肩ベルト式のカメラバッグ背負っている時よりもあるのだが、手にしているエモノはハスキー4段三脚。自動車と衝突してもムクっと起き上がるターミネーターみたいな奴に果たして三脚で殴りかかって応戦したところでダメージは通らないだろうと思ったので、大声や大きな音は立てずに今まで歩いてきたテンションで熊鈴を鳴らしながらゆっくりと後退する事にした。数十メートル離れたところで唸り声は聞こえなくなったが、ヒグマの方はまだ警戒してこちらを見ているだろうし親子グマだった場合はまあ防衛のため襲って来るだろうなと思った管理人は夢ケ丘での撮影を断念して戻る事にした。すぐに後からやってきたハイカーに出会ったので「この先でヒグマが唸り声を上げている」と警告したが道外の観光客なのか軽く「はいはい」みたいな感じで行ってしまった。「俺は警告したし知らんぞ・・・」と思ったのだが、すぐに戻ってきた。(笑) 結局、まだ通過まで時間があったので岩保木へ移動して水門でも入れて撮るかと思ったのだが、通過予定時刻を過ぎてもノロッコ号は来ない・・・。この日から根室本線白糠〜釧路は運転再開しているので、それの接続待ちで遅れているのか花咲線側の交換待ちを東釧路でしているのかと思い、JRの運転状況を見ると「夕陽ノロッコ号運休」の文字列にその場でガックリ崩れ落ちる管理人。もう最低である。ただ、不幸中の幸いなのが、この運休を覚知したのが岩保木だったという事だ。なんとかヒグマをやり過ごして夢ケ丘へ到達していたとしても、運休を覚知してから日没直後にあの遊歩道をヘッドライト使って戻っていたら高確率でヒグマに襲撃されて殺られていただろうと思うと少々寒気がした。
結局DE10が撮影できないまま夜を迎え、翌日は知床連山バックでH100系を撮影したり来年のロイヤル用に緑周辺でロケハンをしてから気になっていたラーメン屋へ寄ってNH742便で釧路より無念の退却となりました。
翌週もリベンジ兼川湯ノロッコ号撮影のためNH4771便で釧路空港へやってきた。実は4週連続渡道だったので体力はもうヘロヘロ。先週も来たのでレンタカー屋のおねーさんに空港受付で「おはようございます」と挨拶しただけで「ナイトライダー様おはようございます!すぐ送迎のバスが来ますので!」といきなり整理券を渡された。(笑)まだ何も言ってないのだが・・・。多分、納期がやばくて毎週撮影しに来ているフォトグラファーだと思われていたんだろ思う。 ちなみに去年撮影した際にコッタロですんげー夕焼けを浴びるDE10を見て「これをサルルンで撮ったら夕焼けヤバいのでは?」と思ったのが発端で1年間ネタを温めてやってきたのだ。ところが天気はドン曇りどころかさっきまで雨降っていてようやく止んだ感じだ。うーん、この天気でサルルンやっても価値無いよなあと思ったので趣向を変えて二本松へ。誰もいないかと思いきや地元の方が車高の高い車で林道直付けで乗り入れていた。地元民もヒグマの出没が今年はありえない頻度なので怖くて林道歩きたくないのが本音のようだ。以前よりも樹木が成長してもうS字カーブの方は冬場の落葉時期じゃないと無理だったが、サルルンよりもサイドがちには狙えるアングルは健在だったので望遠レンズで構えてみる。待つ事しばし、ノロッコ号のジョイント音が聞こえたのでカメラを構えてシャッターを切る。列車は林の中で見えないがすぐ目の前をゆっくりと通過していく音だけが聞こえた。誰もいない森の中なら動画がブイに決まりそうだ。
下山して車に乗り込んだ管理人は国道へ出て車を飛ばす。標茶での停車時間を利用して追い抜いた管理人は石山へ急行。光線はあまりよろしくないが最近周囲が綺麗に開けたのでここで前回ロイヤルを撮影していたのだ。ノロッコ号も撮影すればコンプリートとなる。なお、この踏切の周辺は弟子屈町役場によるとヒグマ出没情報が頻繁にあり、先週の一件もあったので少々不安であったが、地元マニヤ氏が多数展開していたのでとりあえず大丈夫だろうとカメラを構える。ロイヤル同様光線は少々悪いのだが秋になり太陽の角度がマイルドな感じになったのでまあまあ悪くない雰囲気。いざ列車が来るとS字カーブ連続で速度が落ちるのでDE101661は力行しながらゆっくりと現場を通過。逆光で煙が立て上がりなのが強調されてブイだぜ!
昼過ぎとなり天気が好転して雲が全くない青空となったのでもうこれはあそこしかないなと思い、マニヤ諸氏が川湯温泉駅に集結してパニっている間に国道を南下してサルルンへ急行する。駐車場は満車近く一瞬「げえぇ・・・」と思ったが、皆さん観光客ばかりでヒグマを警戒してかサルボ展望台で折り返す方が多く、サルルン展望台へ到着するとマニヤゼロという意外な展開に。塘路駅前の塘路橋周辺ではヒグマ出没情報多発だったので少々緊張したが、この日は背後から鹿やキツネの鳴き声が聞こえるのどかな雰囲気。こいつらが闊歩しているという事は周囲にヒグマがいないという事なので少し安心できた。しかし折り返し列車が川湯温泉を出発し、摩周・標茶と時間と太陽光線と日陰の状態を睨めっこする頻度が増える。露出もこまめに測るが段々落ちていく数値に焦りながら「早く来いよ」と焦燥感に駆られる。これ以上はシャッター速度落とせないぞというところまで露出が下がったところでようやく背後から列車のジョイント音が聞こえてきた。手前にポントー湖と背後に塘路湖をいっぱい入れてスケール感を出しつつ、夕焼けがバッチリ当たる真ん中にノロッコ編成を配してシャッターを切る。やったぜっ!!!同業の方1人と思わず顔を見合わせて勝利の余韻に浸る。構想から1年待っただけの甲斐がありました。ここまでやっておけば最終シーズンの来年はムキにならずに夕陽ノロッコだけをゆったりと撮影出来るし、その分ロイヤルに遠征日程を割けると思うので良かったと思います。北海道のマヤ検は全て撮れずに退学(一応、日本の四隅でマヤは全部撮影はしている)でしたが、ノロッコは無事単位取得で卒業できそうです。夕陽が水平線に沈むのを見ながらの下山は最高の贅沢でした。